後立山(長野/富山) 針ノ木岳(2820.7m) 2023年8月13日  カウント:画像読み出し不能

所要時間  0:55 扇沢市営第一駐車場−−1:00 登山口−−1:13 林道入口−−1:29 車道終点−−1:31 堰堤(梯子で越える)−−1:35 篭川にかかる橋(標高1620m付近)−−1:45 大沢小屋(休業中)−−2:07 河原(標高1820m付近)−−2:13 橋(標高1840m付近)−−2:33 橋(標高2000m付近)−−2:55 篭川本流渡渉(標高2150m付近)−−3:12 最終水場(標高2290m付近)−−3:50 針ノ木峠−−4:35 針ノ木岳 5:59−−6:38 針ノ木峠−−6:55 最終水場(標高2290m付近)−−7:04 篭川本流渡渉(標高2150m付近)−−7:19 橋(標高2000m付近)−−7:30 橋(標高1840m付近)−−7:33 河原を離れる(標高1820m付近)−−7:53 大沢小屋−−7:59 篭川にかかる橋(水浴び) 8:07−−8:11 堰堤(梯子で下る)−−8:13 林道−−8:23 舗装された車道−−8:31 登山口−−8:34 扇沢市営第一駐車場

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2023年8月13日 日帰り
天候快晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場扇沢駅直下の有料駐車場より下に市営無料駐車場あり。ただしハイシーズンには早朝に満車になるので注意
登山道の有無あり。先月はかかっていなかった大沢小屋荷上げ道の橋がかかっていた
籔の有無大沢小屋付近で笹のはみ出しあり。笹が濡れている時は雨具必携
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメントお盆休み第二弾は針ノ木岳。先月、大沢小屋荷上げ道に橋が無いのが分かったので今回は渡渉用に長靴を担いでいったら橋が架かっていた! おかげで往復とも荷上げ道でショートカットできた。針ノ木雪渓の雪は残り僅かで崩壊が進んでいて、全ルート秋道に切り替わっていて雪を踏むことは無かった。少雨で沢の水量が少なく橋が無くても渡れそうなほど。テント場は満杯で上部の斜面まで使われていたが海の日の3連休よりは少なかった。天候は無風快晴だったが空気の透明度が悪く、志賀高原、浅間山、奥秩父、八ヶ岳、富士山、南アルプスとも霞んで見えなかった。帰りに雷鳥目撃。針ノ木岳で姿を見たのは初めてかもしれない。花は夏の花はほぼおしまいで秋の花に移り変わりつつある。


針ノ木岳から見た夜明け前の後立山北部の山並み


ゲート横から登山道へ 大沢小屋荷上げ道に向かい林道へ入る
林道終点 堰堤にかかる梯子
先月は無かった橋が架かっていてラッキー! 大沢小屋。今年の営業は無い
河原へ入る(標高1820m付近) 下流側の橋(標高1840m付近)
大きな石に挟まれた門が上流側の橋の入口 上流側の橋(標高2000m付近)
篭川本流渡渉(標高2150m付近)。水量は僅か 最終水場(標高2290m付近)。水はしっかり流れていた
針ノ木峠 テント場。満員だった
標高2590m付近にもテントあり 蓮華岳のシルエット。東の地平線は雲に覆われる
北側の展望 針ノ木岳山頂。日の出前に到着
針ノ木岳から見た360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
針ノ木岳から見た常念山脈と槍穂。空気の透明度が悪く霞んでいる
針ノ木岳の影 針ノ木岳から見た剱岳
針ノ木岳から見たスバリ岳方面 毛があるのでチシマギキョウ
タカネシオガマ オノエリンドウらしい
クモマミミナグサ ミヤマウイキョウ
イブキジャコウソウ トウヤクリンドウ
イワオウギの実 下山開始
ミネウスユキソウ ミヤマアキノキリンソウ
ヤマハハコ テガタチドリ
ゴゼンタチバナ 種池方面へ縦走する登山者が多かった
雪は全く残っていない タカネヨモギ
ミヤマダイモンジソウ ウサギギク
雷鳥。少なくとも子が1羽いた ミヤマダイコンソウ
カールとスバリ岳 ミヤマホツツジ
ミソガワソウ ミヤマリンドウ
イワギキョウ 標高2590m付近の臨時テント場
小屋近くのテント場。ほとんど撤収済み オトギリソウ
葉っぱからしてミヤマコウゾリナ 針ノ木峠
扇沢へと下る。雪は見えない ウメバチソウ
青が薄いイワギキョウ モミジカラマツ。多数見られた
エゾシオガマ ミヤマキンポウゲ
ヨツバシオガマ 最終水場
谷沿いにもミヤマリンドウがあった マヤクボザワ
ミヤマアキノキリンソウ 大型連休からあったような?
僅かに残った雪渓には下らず左岸巻道を進む 注意書き
雪渓は流れで分断されている 左岸巻道
タカネヨモギ 細かな種類は分からないがコゴメグサ
細かな種類は分からないがママコナ 細かな種類は分からないがトリカブト
岩場は渋滞 上流側の橋。水量細く橋が無くても渡れる
標高2000m付近から上流を見ている 標高2000m付近から下流を見ている
続々と登ってくる 標高1960m付近。水が流れて補給可能
モミジカラマツ。これからが本番の季節 下流側の橋
下流側の橋から上流を見ている 広い河原を下る
エゾシオガマ ここで河原を離れる
ニッコウキスゲ ニガナ
シロバナニガナ タテヤマウツボグサ
オオバギボウシ オオコメツツジ
オトギリソウ マルバダケブキ
イワショウブ。初めて見る花 オオカニコウモリ
シモツケソウ 篭川。先月は藪を漕いでここを遡上した
ヨツバヒヨドリ オオカメノキ
リョウブ。草ではなく木 キオン
サラシナショウマ 大沢小屋
登山道から荷上げ道に入る 笹がはみ出す
ソバナ タテヤマウツボグサ
シモツケソウ クルマユリ
橋。ここで水浴び 橋の上流側。水量が減って渡渉できそうだった
カラマツソウ 右岸の道
ミヤマキンポウゲがこんなところにあった オニシモツケ
堰堤を梯子で下る 林道終点
泥濘はう回路あり 林道起点
ゲンノショウコ 扇沢駅
ゲート ヤナギラン
有料駐車場 市営第一駐車場。満車だった


 お盆休みの第二弾は針ノ木岳に。白馬岳から中一日の短期間の休みで登るため、北アの中でも比較的標高差が少ない山と言うことでの選択だ。それに自宅から登山口まで約1時間しかかからない=ガソリン消費量が少なくて済むのも魅力である。心配していた台風6号、7号の影響はまだ無いようだ。

 お盆休み期間中なので扇沢の駐車場は既に8割程度は埋まっていて空きが少なかった。車中泊の車もチラホラ見れらキャンピングカーも。両側の車とも無人で夜中に静かに過ごせそうな駐車区画を選択。気温が高く窓を少し開けて眠りに付いた。

 山頂到着を日の出の時刻である午前5時に設定して午前1時に出発。前回登った時に大沢小屋荷上げ道の橋が架かっておらず、往路は藪漕ぎして篭川沿いを遡上し帰りは夏道を辿って下山したが、夏道は距離が長く時間がかかることが改めてよく分かった。今回は橋が無いことを前提に長靴を準備。昨年に橋があった場所近くで渡渉できればよし、できそうにない水量の場合は長靴のまま沢沿いを遡上する予定だが、堰堤を2つ越える必要があり藪漕ぎは免れないので、できるだけ橋があった場所付近で対岸に渡りたいところ。今年は降雨が少なく後立山の山小屋では水不足との話なので、おそらく篭川の水量もかなり減っていると予想した。ザックに長靴を詰めて出発など初めての経験だった。

 ゲート脇から登山道に入って林道へ。ダートの路面には比較的最近のものと思われるタイヤ痕があったが、終点近くのいつも路面がぬかるんだ場所にはタイヤ痕は無かった。荷上げ道に入りアルミ梯子で堰堤を越えて先月はまだ残雪があった場所も雪はすっかり消えて藪に覆われているが、今は道が現れているので迷うことはなく橋があった場所へ。すると予想外に橋が架かっているではないか! 先月通った時は既に針ノ木小屋の営業は始まっており、それでも橋が無いのだから今年の営業はしない大沢小屋で橋をかけているのだと思ったのだが。どちらにせよラッキーなことには変わりなく使わせてもらった。しかし沢の水量はかなり減っており、橋が無くても少し上流側の飛び石で簡単に渡れる状況だった。対岸で長靴をデポする。

 今年の荷上げ道はほとんど利用されていないので藪のはみ出しが目立つが、それでも夏道よりずっと距離が短く、しかも谷沿いで冷たい風が吹き抜けるので暑さ対策の面でも有利である。真夜中はまだ藪は僅かに湿気を帯びる程度だったが、下山時は朝露で濡れていた。どうも夜露は夜明けの時間帯に付くようだ。

 大沢小屋直下で夏道に合流後は夏道を進んで河原へ下る。既に針ノ木雪渓はほとんど雪は残っておらず全区間秋道を通るとの情報を得ているので、下流側の橋で右岸に渡って以降は高巻きの秋道を通り、標高2000m付近で2つの門のような岩に挟まれた間から河原に下りて上流側の橋を渡り、左岸の岩場を登っていく。2つの橋とも水量は例年より少なくて橋が無くても渡れそうだった。特に上流側の橋は例年より短かく、橋が無くてもいいのではと思えるほどであった。

 岩場をクリアすると長いトラバースの道に入り、いくつかの支流を跨いで標高2150m付近で流れの細い篭川本流を渡って右岸へ。本流付近にも雪は全く残っていなかった。広い河原にはまだミヤマキンポウゲが咲き残っていたが前回よりもかなり数を減らしていた。山の花はもう真夏を過ぎて秋に切り替わりつつある。

 最終水場で水を補給。標高1820m付近で篭川の河原に出てからここまで何度も支流の小さな沢を横断するので、ここまでは行動用の水を担ぐ必要は無い。私の場合は涼しい夜間に高度を上げてしまうため、行動中もほとんど水は飲まなくて済むので200ccほど補給するのみ。

 水が枯れた沢の右岸側を上がっていき、途中で左岸に乗り換えた後は赤茶けたガレた斜面をジグザグに付いた夏道を上がる。稜線上に赤い明かりが見えているがLEDライトの色ではない。星座観測でもしているのかと思ったら赤いテントの中の光だったと後で判明した。

 針ノ木峠の小屋の周囲は無人で真っ暗。蓮華岳に登っている光が見えるだけ。一登りしてテント場は満杯状態で、前回の海の日の連休時にテントがあった標高2590m付近にもテントあり。ただし前回よりは数は少なかった。針ノ木岳へと登っている光や既に山頂にも光が。鳴沢岳付近にも光が見えたが新越山荘を出発した登山者のものだろう。

 雪が全く残っていない北斜面トラバースの夏道周辺の花もほぼおしまいで、シナノキンバイはすかり見えなくなっていた。まだ暗いので写真撮影は帰り道のお仕事。登山道には大きなザックを背負って種池方面へ縦走すると思われる登山者あり。扇沢から登ってきたばかりとは言え私は軽い日帰り装備なので大ザックの登山者を追い越した。そろそろ周囲はライト不要な明るさになってきたが、東の空がもやったように不明瞭で志賀高原の山並みも見えなかった。天気はいいのだが空気の透明度はイマイチらしい。

 残雪期は雪壁のある場所も今はその面影は皆無で大きめの石が積み重なった夏道を上がるのみ。そこを越えれば山頂はもうすぐだ。

 針ノ木岳山頂には先客が10名程度。お盆休みだが先月より少ない。東だけでなく南方向も空気の透明度が悪いようで八ヶ岳、富士山、南アルプスとも見えなかった。その方向には早朝にもかかわらず背の高い積乱雲が見えていたので、靄で見えなかったのではなく雲が覆っていたのかもしれない。どちらにせよ天気は北アが一番いいようだ。槍穂は見えているが少し霞んでしまっていて、槍の右側に小さく見えている乗鞍岳がかろうじて見える程度。でもそれより近い北アの各ピークは良く見えている。予想より少し早く山頂に到着したので日の出も山頂到着後だった。風も無く穏やかで1時間半ほど展望を楽しんでから下山開始。

 帰りは花の撮影をしながらだが、この時期はもうピークを過ぎて種類も数も減っている。山頂付近ではタカネシオガマ、イブキジャコウソウ、ミネウスユキソウ、テガタチドリがかろうじて残っていたが、チシマギキョウ、トウヤクリンドウ、オノエリンドウ、ミヤマアキノキリンソウなど秋の花に切り替わりつつあった。斜面のお花畑も花は少なく、ウサギギクやミヤマアキノキリンソウが目立ち、少しばかりミヤマダイコンソウが咲き残っていた。花が終わったチングルマの中にはミヤマリンドウの青い花。針ノ木岳周辺ではタテヤマリンドウは見られない。

 帰り道にはテントは半分程度まで減っていたが、残っているのは今日下山する予定の人なのだろう。縦走組はおそらくもう出発しているだろう。気がかりは本州に向かっている台風7号で、予報では明日くらいまでは天気は持ちそうだが、それ以降はまだ台風の進路が確定していないので何とも言えないが、下手をすると本州中部直撃コースを取りそうな気配。お盆休み後半は山はダメそうだ。

 針ノ木峠から下山開始。先に下っている人の姿が見えているがまだ登りの姿は見えない。雪渓が残っていれば見えるのだろが。峠付近ではミヤマコウゾリナ、イワギキョウ、ミヤマダイコンソウ、ウメバチソウ、モミジカラマツ、ミヤマリンドウなどが見られた。

 赤茶けた斜面から沢沿いの道へ下り、咲き残った花の写真を撮影しながら高度を下げていく。徐々に登りの登山者とすれ違うようになるが、お盆休みだから通常の週末より多いかと思ったらそんなことはなかった。やはり台風の影響かも知れない。

 左岸高巻道に入り、そこには例年通りコゴメグサとママコナが花を咲かせていた。秋の花であるトリカブトも。岩場の下りは4,5人のパーティーが先行していたので落石を落とさない位置取りで下りきるのを待って安全な場所で先行させてもらった。

 上流側の橋付近からすれ違う登山者が一時的に増えてきたがすぐに通常状態に落ち着く。高巻道は幅が狭いのですれ違い可能な場所が制限されるので面倒だ。下流側の橋を渡って河原を下るとエゾシオガマが咲いていた。こんな低い場所でもあるのか。河原から斜面の登山道に入る付近はお花畑だが、まだニッコウキスゲが咲いていた。オオバギボウシ、タテヤマウツボグサ、オオコメツツジなどは結構長い間咲いているような。前回は見られなかったイワショウブの白い花は初めて見た。

 樹林帯に入るとオオカメノキがまだ花を付けていた。これは息が長い。秋の花であるキオンの黄色い花が目立つようになる。大沢小屋から荷上げ道に入るとキオン、ソバナ、タテヤマウツボグサ、シモツケソウ、クルマユリなど。ここでも夏の花は咲き残った程度で数はぐっと減っていた。

 篭川に架かる橋で長靴を回収して水浴び。ここは他に人が来る心配が無いので安心して楽しめる。右岸に渡り返すとミヤマキンポウゲがかろうじて咲き残っていた。こんなに低い場所で見られるのも珍しい。

 舗装された車道に出るとグンナイフウロに似た小さな花を発見。帰宅後に画像検索するとどうやら「ゲンノショウコ」らしい。扇沢駅横を通過すると車道脇にはヤナギランの背の高い花。飯縄山で見て以来だ。

 無料第一駐車場に到着すると当然ながら満車。着替えて駐車場を出るときに駐車場整理員が入口に立っていた。すぐ下の第二駐車場も満車で柏原新道登山口周辺の駐車場も満車。それどころか柏原新道登山口より下にあるスノーシェッド群の駐車余地も満車で、スノーシェッド群を出た下のヘアピンカーブ付近の路側まで車が溢れていた。ここまで多いのはお盆休みくらいなので当然と言えば当然か。

 さらに下の「らいちょう駐車場」でマイカー規制が行われていた。上部の駐車場が満車の時はマイカーはらいちょう駐車場へと誘導され、ここからシャトルバスで扇沢往復となる。これは駐車場の空き待ちで長時間車内で待たされるのを防止するためで、少々面倒でも観光客にとっては大幅な時間節約になるのでいい判断だと思う。時間が読めない事態が一番困るからなぁ。

 

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